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【サウンドオブメタルの感想レビュー】過去10年で最高の映画【Amazonプライムビデオ独占配信】

2021年2月20日

 

タイトルにも書きましたが、私の中で過去10年の中で最高傑作です。圧倒的な☆5。

 

聴覚障害の男性を描く映画ながら、男性も女性も自分事として見ることができ、見終わった後久々に深く「ふぅ……」と息を吐きました。

 

この記事では「サウンドオブメタル~聞こえるということ~」について私なりの感想(ネタバレなし・ネタバレあり)を書いていきます。

 

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【サウンドオブメタル~聞こえるということ~】感想をレビュー【ネタバレなし】

 

映画概要

  • 原題:Sound of Metal
  • 製作国:アメリカ(2019年)
  • Amazonビデオで独占配信(2020年)
  • 国内劇場未公開
  • 監督:ダリウス・マーダー
  • 上映時間:120分

 

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~】あらすじ

2人組ハードコアバンドとして、ツアーでアメリカを周っているドラマーのルーベンとボーカルのルー。

 

突然ドラマーのルーベンは、耳がほとんど聞こえない状態に陥り困惑する。

 

20%程度の音しか聞こえず、どんどんと聴覚が失われていると医者に告げられる。

 

耳が再び聞こえるようになる方法を知りたいルーベンが医者にその方法を尋ねると、耳の奥に音を拾う人口の臓器を埋め込み錯覚により音が聞こえるようになる「人工内耳」という方法があることを知らされるが、手術台に日本円で400万~800万円程度かかると言われる。

 

自暴自棄になるルーベンを見ているルーはこの現状をなんとかしなくてはと考え、聴覚障がい者のコミュニティー(Deaf(デフ)コミュニティ)を探しだし、彼をそこに連れて行く。

 

しかし、そのコミュニティの運営者のジョーは、「聞こえることを受け入れるための施設であるため、彼は1人になる必要がある。だからルーが一緒にいることはできない」と2人が離れ離れにならなければならないことを告げる…。

 

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~】キャストの演技が神がかっている

サウンドオブメタルのキャストの演技が言葉では表すことが難しいほど、私が見てきた様々な映画の中でも特に際立っています。

 

監督の演出もすばらしく、突然ろう者になったルーベンの心境を、私たちが実際にそうなったらと想像させる様々な工夫が随所に散りばめられています。

 

その理由の1つには、聴覚障害であるといういう前に、私たちが今までの人生で経験してきたであろう辛かった経験や幸せだった出来事、苦悩した瞬間などをルーベンたちに演じさせ、私たちの記憶を呼び起こすことで実際に自分が体験しているのではと錯覚してしまうんです。

 

そんなすばらしい監督やキャストについて少し深堀りしていきます。

 

監督:ダリウス・マーダー

監督ダリウス・マーダー(Darius Marder)は、今作長編映画デビュー。

 

原案の「ブルーバレンタイン」などのデレク・シアンフランスで、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」でダリウス・マーダーと共に脚本を手掛けています。

 

ルーベン役:リズ・アーメッド

恐らく今作「サウンドオブメタル」でアカデミー賞主演男優賞候補になると予想されている主演ルーベン役のリズ・アーメッド。

 

パキスタン系イギリス人で、2006年の「グアンタナモ、僕達が見た真実」で長編映画に初出演。「スター・ウォーズ」シリーズの「ローグ・ワン」では、頼りないけど最後活躍するパイロットのボーティー・ルックを演じて話題に。

 

今作「サウンドオブメタル」では、途中からサウンドブロッカーをつけて実際に耳が聞こえない状態で演技をしています。サウンドブロッカーをつけているので、自分の声すら聞こえない状態での演技はホントに必見です。

 

ドラムに関しても9か月以上練習して今作に挑んでおり、高速ドラムを叩くリズ・アーメッドはホントにかっこいいですよ。

 

ジョー役:ポール・レイシー

リズ・アーメッドに加えて注目されているのが、デフコミュニティーの運営者ジョーを演じたポール・レイシー。

 

シカゴ生まれの彼は、ろう者の両親のもとで育ったCODA(Child of Deaf Adults)として、ろう者と健常者の間に立ってサポートする経験を持ちます。

 

役者としては「ドラゴン ブルース・リー物語」などに出演している他、ASL(American Sign Language:アメリカ手話言語)で手話で演奏するバンド「Hands of Doom」のボーカリストやブラックサバスのトリビュートバンド「Wicked World」のボーカルとしても活躍。

 

有名俳優が名乗り出るなか、手話に精通していたり、ろう者への理解が深いだけではなく、役者としての彼にダリウス・マーダー監督が絶大な信頼を感じていたことでのキャスティングとなりました。

 

今作「サウンドオブメタル」では、全米映画批評家協会賞の最優秀助演男優賞を受賞しており、さらにアカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされると予想されています。第93回アカデミー賞は、2021年4月25日(日)に予定されており、今から楽しみですよね。

 

「サウンドオブメタル~聞こえるということ~」評価・口コミ

  • 全米映画批評家協会賞:助演男優賞
  • ハリウッド批評家協会賞:助演男優賞
  • シカゴ映画批評家協会賞:助演男優賞
  • ボストン映画批評家協会賞:助演男優賞

 

すでに多数の賞を獲得している今作は、批評家の中でも絶賛されています。

映画批評集積サイトRotten Tomatoes:批評家支持率は94%、8.11点/10点満点。

Metacritic:加重平均値85/100

ポッドキャスト「スラッシュ・フィルムキャスト」:2020年トップ10

 

 

「サウンドオブメタル~聞こえるということ~」ネタバレなし感想

ここでは、まだ映画を見ていない方のためにネタバレなしの感想を簡単に解説していきます。

 

元々は実話ベースのドキュメンタリーとして制作が開始され、出演しているキャストも実際にろう者やろう者に関わる人々が多く出演していて、耳が聞こえない生活をリアルに追及しています。

 

耳が聞こえなくなる瞬間の「プツ、プツ」という感じや水の中にいるような音の聞こえ方、また内耳をつけた後の聞こえ方など、実際にルーベンの耳に私たちがなったように静寂や不協和音を嫌が応にも感じてしまいます。

 

まだ映画を見ていない段階で想像してみてください。実際に突然耳が聞こえなくなった瞬間を…。

 

自分が感じる恐怖や不安、そして大切な人との関係はどうなってしまうのか、今までの仕事や生活はどうなるのか、耳が聞こえなくなるということじゃなくても、失ったものを取り戻したい気持ちと受け入れられない自分、生きる目標がありギラギラした世界から突然静寂の虚無の世界になった絶望を。

 

「この瞬間自分ならどうする?」「自分じゃなくて大切な人がそうだったどうする?」そんなことを感じられる傑作中の傑作です。

 

今作はAmazonプライムビデオでしか見れませんが、今作こそ完璧な「音」を感じられる映画館で観たかった。Fire TV Stickなどを利用してテレビでイヤホンをして見て下さい。

 


 

 

 

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~】感想をレビュー【ネタバレあり】

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~】感想をレビュー【ネタバレあり】

 

それでは、ネタバレありでもOKという方のために、ネタバレ満載で映画レビューしていきます。

 

ルーベンとルー

主演のルーベンとバンド仲間で彼女のルー。まずひっかかるのは、序盤にトレーラーハウスの中でルーベンがルーを起こした場面。

 

ルーの腕には無数の傷があります。自傷行為と思われるその傷の理由は初めはわかりませんが、映画終盤ルーの自宅で二人が再開した場面ではルーの傷がなくなっていることにルーベンは気づきます。

 

手術を終え、人工内耳によってかなり聴きずらさはあるもののなんとか彼女の元に戻ってきたルーベンが、これからトレーラーハウスも取り戻し、「前の生活」に戻ろうと話した時彼女の自傷行為が再発します。

 

その時の「悟った」ルーベンの表情やルーの戻りたいけど…という気持ちが交差するこのシーンは、恋人がいた人ならわかる「もうダメかもしれない」という悟りと全く同じです。

 

恋人のことを深く愛しているけど、ルーが父親の伴奏で歌ったように「愛が私を壊してしまう」のです。

 

ゾクッとするほどの演技力の前に、自分がベッドに横になって話をしているかのような錯覚をしてしまうほどでした。

 

突然聞こえなくなる

私がこの映画を知った時「バンドマンが突然耳が聞こえなくなる話」ということをすでに知っていました。

 

映画冒頭スプラッシュのようなドラムとルーのスクリームボイスの迫力あるダークハードコアサウンドを聞くことができますが、この場面ではきっとライブ中に音量が大きくて耳が突然聞こえなくなるのだと予想していました。

 

しかし、その時は突然やってくるんです。ライブ前のグッズ販売の準備をしている時に。「ここで!!?」私は声に出してしまいました。

 

そうなんです。突然なんです。そこがあまりにもリアルで、そして蓄積された爆音の影響は一瞬でルーベンの耳から「音」を失わせていくんです。

 

医者に言われてもツアーを周らなければならないルーベンが、ドラムは叩けるけど周りの音も自分の音も聞こえないことへの恐怖を次のライブで感じ、ライブ中に外に出ていきます。誰しもがきっと自分なら「ああなる」とリアルに感じられます。

 

ルーベンを思うルーの気持ち

ルーベンから「音」がなくなったことを知ったルーのその後の表情は、ずっと眉を顰め「とにかく不安」という顔をしています。

 

なんとかしなくてはと精いっぱい解決策を見つけ、ろう者のコミュニティにルーベンを繋げますが、そこでルーとルーベンは離れなくてはならなくなります。

 

ルーは、そこを去るという決断が早い。とにかく彼が無事に治ってくれることを願っているけど、「彼と一緒にいたい」という気持ちがあまり感じられない演技は、本当は一緒にいたいけど「我慢しなきゃ」という女性特有の気持ちが感じられます。

 

またそんなルーを見てたじろぐルーベンの様子も、まっすぐに愛している彼女を自分が耳が聞こえないせいで失うかもしれない絶望感や「守ってあげることができない」という不甲斐なさがあふれ出ていて、胸が心底締め付けられました。

 

デフコミュニティーの運営者ジョーの信念

一貫してジョーの信念がぶれることはありません。

 

初めにルーが一緒にいられないと話した時、勝手に屋根を直そうとしたルーベンに「そんなことしなくて良い」と言った時、ルーベンのトレーラーハウスを買い戻す時にお金を貸してくれという相談にきっぱり断り、そして出ていくように伝えた時。

 

それはすべてデフコミュニティーを守るためであり、規律を崩した時争いが生まれることを経験で知っているから。

 

でもそのルールを守り静寂の中で生活することは、ルーベンにとって初めは信じられないほどつまらない。

 

次第に仲間にタトゥーを彫ったり、ドラムを教えたり、子どもたちと関わる中で穏やかな生活に慣れたように見えましたが、やっぱり諦められないルーベンの姿は、「自分だったら耐えられるか」「自分だったら現状を受け入れられるか」と自問自答せざるを得ません。

 

ペンと紙のみが置かれた部屋で自分と向き合うシーンは、今までライブハウスで高速ドラムを叩いていたギャップを見事に描いています。

 

人工内耳と聞こえるということ

人工内耳を手に入れたルーベンの困惑は、はかり知れません。「こんなこと聞いてないよ」と言わんばかりのもどかしすぎる表情。

 

人口内耳は完璧ではありません。人間が普段聴いている音は、「音」そのものではなく、脳が不要な雑音を消している作り出された「音」です。

 

しかし、人工内耳の「音」は「音」そのものであり、人間が到底聴き続けられるような「音」ではありません。キーンと高く、濁って機械のような「音」に慣れるのは難しい。「こんなはずじゃなかった」がもう一度ルーベンに訪れます。

 

サウンドオブメタルの「メタル」は、メタルミュージックのメタルではなく、この人口内耳のサウンドのことなんです。

 

ルーと一緒にいることができないと悟ったルーベンが、街中にでて聴いた「鐘の音」。ラストの彼の行動は、静寂を手に入れた瞬間でした。

 

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~感想レビュー】まとめ

【サウンドオブメタル~聞こえるということ~の感想レビュー】まとめ

 

サウンドオブメタルは、私が今まで見てきた様々な映画の中でもトップ5に入る傑作でした。

 

「感動する」という陳腐な言葉では決して言い表せない、自分のこれからの人生を考えるきっかけとなるような影響力のある映画です。

 

ぜひ視聴してみて下さい。

 

 

 

 

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hana

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